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スキャンしたPDFをEPUBに変換して快適に読む

スキャンした書籍にOCRが必要な理由を理解し、リフロー型EPUBに変換して、章・脚注・画像・読み順を確認する方法を解説します。

リフローされた読書用ページの隣に並ぶスキャンページ
スキャンした文字が読書用の版になる様子を表した概念図。変換結果ではありません。

スマートフォンでスキャンした書籍を拡大すると、数語読むたびに左右へ画面を動かすことになります。EPUBは、ページの画像が画面幅に合わせて折り返す実際のテキストになれば、この読みにくさを解消できます。同じページ画像を別のファイル形式に入れ替えただけでは効果はありません。

スキャンしたPDFをEPUBに変換するには、形式の変更だけでなく、文字認識と文書構造の再現が必要です。仕上がりは、実際に使う予定のリーダーで確認し、比較用に元のPDFも手元に置いておきましょう。

OCRと形式変換は役割が違う

スキャンしたPDFには、ページを撮影した画像が保存されています。OCRはその画像から文字を取り出します。さらに文書処理によって、段落・見出し・図版・注を読みやすい順序に並べる必要があります。

PDFにすでにテキスト層がある場合もあります。段落をひとつコピーしてプレーンテキストエディタに貼り付けてみてください。文字化けしたり順序が崩れたりするなら、テキストを選択できるというだけでは、そのファイルが変換に適しているとはいえません。検索可能なページと画像だけの差し込みページが混在する書籍もあるため、冒頭だけでなく複数の箇所を確認します。

.pdfの拡張子を.epubに変えても、中身は変換されません。ページ全体を画像のまま保持する変換では見た目は保てても、目的だった文字サイズの調整はできません。変換結果に実際に選択できるテキストがあり、リフローするかを確かめましょう。

リフローが役立つ場面と、PDFのまま残すべき場面

リフロー型EPUBでは、リーダーが画面の大きさとフォント設定に合わせて文字を配置します。フォントを大きくすると表示上のページ数は増えますが、印刷された行に沿っていちいち横にスクロールする必要はありません。W3CのEPUB仕様には固定レイアウトの出版物も含まれており、拡張子がEPUBであることだけではリフローを保証しません。

小説や文章中心の書籍は向いています。表の多い教科書や図版の多いマニュアルでも効果はありますが、横長の表・位置関係を示す図・原書のページ番号を参照する用途のためにPDFも残しておきましょう。リフローされた章は、印刷版と同じページ番号にはなりません。

通読よりも抜き出しや編集を重視するなら、PDFからMarkdownへの変換が適しています。正確な引用や寸法を確認する必要があるときは、どちらの出力も原本の代わりにはなりません。

認識しやすい元データを用意する

ごく普通のページ、章の冒頭、そして書籍の中で最も難しいページを確認します。余白の欠け、ページの抜け、傾いた行、かすれた文字、綴じ目に消えた語がないかを見てください。より鮮明な原本があればそちらを使います。ぼやけた画像を拡大しても、写らなかった文字は戻りません。

自分でスキャンする場合は、全巻を処理する前に数ページを確認します。両端が写っていること、綴じ目付近の文字が読めることを確かめましょう。ページは本来の順序に保ち、補正をかける前に元のスキャンデータを残しておきます。

代表的な数ページのPDFを用意しておくと、大量の書籍を処理する前に作業の流れを評価できます。必要ならこのサンプルはPDF Craftの外で作成してください。サンプルの自動生成やプレビュー機能があるとは限りません。

アップロードし、EPUBを選んでダウンロードする

スキャンしたPDFからEPUBへの変換を開き、PDFをアップロードします。タスク設定で出力形式にEPUBを選びます。原文の言語のままでよければ翻訳はオフにし、翻訳も必要な場合だけオンにして翻訳先の言語を選びます。

現在のタスクの上限と料金を確認して送信し、完了したEPUBをタスクからダウンロードします。普段使っているEPUBリーダーで開けます。PDF Craft Desktopは元データと結果を読んだり整理したりするための追加の選択肢であり、オンライン変換に必須ではありません。

ダウンロードしたファイルは、PDFと同じ場所にわかりやすい名前のフォルダを作って保存します。処理をやり直す場合は、すでに確認した版を上書きせず、別のファイルとして区別できるようにしましょう。

章・注・難しい切り替わりを確認する

まず構造から見ます。目次を原本と照らし合わせ、いくつかの章へ移動し、冒頭と末尾がそろっていることを確かめます。クリックできる章の項目は、似た名前の見出しではなく、正しい位置へ移動するはずです。

次に読みやすさを試します。フォントを大きくし、リーダーのウィンドウを狭くしてみてください。何度も横にスクロールしなくても読めるように、段落の文字が画面幅に合わせて折り返されるかを確認します。画像とキャプションはまとめて確認し、長い表は実際の端末で見ます。

印刷ページの区切りをまたいで読み、段組みがあれば段の切り替わりも確認します。本文中に紛れ込んだ柱( running header )、つながってしまった段落、抜けた句読点、印刷時のハイフネーションで分断された語に注意してください。脚注の印から注の全文へたどり、ページをまたいで続く注も確認します。

最後に、人名・日付・数量、そして論旨に関わる一節を比較します。抜き取り確認はよくある問題を見つける助けになりますが、全ページを保証するものではありません。同じ誤りが繰り返し現れる場合は、似たページへ確認の範囲を広げましょう。技術書では数式と脚注のチェックリストを活用し、変換後の版を読む間も原本を手元に置いておいてください。

スキャンしたPDFを読みやすくする

PDFをアップロードし、タスク設定でEPUB出力を選びます。

スキャンしたPDFをEPUBに変換