表は、言葉も数字もすべて残っているのに、誤解を招く内容になってしまうことがあります。翻訳で長くなった見出しが別の値の上に表示されたり、行ラベルが何行にも折り返されたり、小さい画面では右端の列が見えなくなったりします。文字だけでなく、項目どうしの対応関係も確認しましょう。
このガイドは、もともとEPUBに入っている表を対象にしています。スキャンしたPDFから表を復元する場合は、OCRやレイアウト認識の検討も必要になり、別記事のスキャンした表のガイドで扱っています。
文字数が変わることを前提にする
原文で短かったラベルが、翻訳すると長い表現になることがあります。表示幅の狭いEPUBリーダーでは、列が広がったり、折り返しが起きたり、隣り合うセルの区別がつきにくくなったりします。見た目が変わったからといって内容が誤っているとは限りませんが、確認は必要です。
元のEPUBを開いたまま、章・タイトル・表番号などを手がかりに同じ表を探します。個々の値を見る前に、見出しの構造全体を比べましょう。複数階層の見出しでは、1つのラベルが複数の列をまとめていることがあり、そのまとまりが失われると表の読み方が変わってしまいます。
ページ数や、異なる文字サイズで撮ったスクリーンショットが一致するかどうかで判断しないでください。リフローするコンテンツは、表示環境に合わせて形を変えます。
行と列を端までたどる
いくつか項目のある行を1つ選び、ラベルから最後の値まで横に読み進めます。次に列を1つ選び、見出しから何行か下までたどります。値が正しいカテゴリに属しているかを確かめます。
確認するポイントは次のとおりです。
- 小数点、マイナス記号、パーセント、単位。
- 欠損や該当なしを表す空白セル、ダッシュ、記号。
- 値や見出しに付いた脚注記号。
- 通常の行と紛らわしい、繰り返しのラベルや合計行。
- 本の題材を知らないと意味が取れない用語。
空白セルが常に誤りとは限らず、ダッシュが常にゼロとも限りません。編集する前に、原文での表記の慣習と比べましょう。ラベルの翻訳が自然であっても、その下の数値の対応関係が正しいことの証明にはなりません。
長い表は実際に使う画面で試す
普段使っている文字サイズと画面の向きで確認します。リーダーで表の全幅が見えるか、全体を確認できる実用的な手段があるかを確かめましょう。デスクトップで問題なく見える表が、電子書籍リーダーでは使いにくいことがあります。
長い表では、先頭・中間・末尾の行を確認します。見出しが見えなくなったときでも、内容を理解できるようにしておきましょう。バイリンガル出力では、表の周囲に原文と翻訳文がどのように配置されているかを確認します。すべてのセルが本文と同じ段落構成になっていると決めつけないでください。
小さい画面で読みにくい場合は、大きい画面で原書を確認します。複雑な表を1ページに収めるためだけに、読みにくくなるまで文字を小さくしないでください。
内容の問題と表示の問題を切り分ける
セルが重なる、列が消える、スクロールがおかしいといった症状が出たら、同じEPUBを別のリーダーで開いてみます。そのリーダーで原文も比べましょう。同じアプリで原文と翻訳結果の両方に同じ問題が出るなら、表示環境を確認しましょう。
どのリーダーでも値が誤ったラベルの下に付くなら、フォントを場当たり的に変えるのではなく、出力の構造と原文を確認します。表の名前、行、列、本来の対応関係を記録しておきましょう。スクリーンショットも役立ちますが、場所と短い語句があれば、後から問題を探しやすくなります。
ファイル側とリーダー側の問題の見分け方については、EPUBのトラブルシューティングガイドが参考になります。表以外の目次、画像、注記については、書式を保つ方法のガイドで説明しています。
数値の基準は原書に置く
PDF Craft は、できる限りEPUBの章立てやレイアウトを保つことを目指しています。EPUB翻訳ツールでアップロードし、言語と出力形式を選んで、処理が終わったファイルをダウンロードしたら、重要な表は原書と照らし合わせて確認してください。翻訳は利用量に応じた課金です。現在の料金は料金ページをご覧ください。
研究など、表の内容を根拠として示す作業では、引用や再利用の前に、該当する値と原書での位置を直接確かめましょう。翻訳された表が読みやすければ本の理解は進みますが、データが正しいと保証するものではなく、最終的に原書で確認する必要がなくなるわけでもありません。