翻訳書は正しく開けて見た目も整っていても、章の一部が欠けていることがあります。すべての章が揃っていても、重要な数値が変わってしまっていることもあります。ファイルの完全性、翻訳の質、読みやすさは、それぞれ別に確認する必要があります。
ダウンロードした本は、この順番で確認します。まず何が入っているかを確かめ、次に重要な箇所を原文と比べ、最後に読み心地を試します。よくある問題を見つけるのに、すべての段落を同じ密度で読む必要はありません。ただし、一部をうまく確認できたからといって、本全体に問題がない証拠にはなりません。
文章を整える前に章の抜けを確認する
原文と翻訳版の章の一覧を比べます。序文、付録、注、残しておきたいあとがきも含めてください。目次に載っている項目だけでなく、主要なセクションを実際に開き、始まりと終わりが正しい位置にあるかを確かめます。
章の境目付近にある特徴的な表現を手がかりに、対応する箇所を探すとよいでしょう。翻訳すると文章の長さは変わるため、ページ数やファイルサイズが同じかどうかでは完全性を判断できません。対訳版は両方の言語を収録するので、当然ながら長くなります。
抜き出した章の中では、段落の並び順を比べます。同じ箇所の繰り返し、唐突な飛躍、会話のやり取りの欠落、見出しをまたいでつながった文章などがないか見てください。欠けている箇所が1つでも見つかったら、文章の改善に時間をかける前に、構造の確認範囲を広げます。
人名と用語を本全体から検索する
繰り返し出てくる登場人物の名前、地名、役職、専門用語を短いリストにします。それぞれについて、最初の出現箇所、中ほどの出現箇所、後半の出現箇所を確認します。表記の揺れに気づいたら、別のつづりでも検索してみてください。
揺れをすべて機械的に置き換えるのは避けます。役職名は登場人物の立場によって変わることがあり、専門用語が複数の意味を持つこともあります。表記の違いを誤りと決めつける前に、文脈を比べましょう。
翻訳の指示で希望する表記を伝えることはできますが、それが守られる保証にはなりません。PDF CraftのEPUB翻訳機能では、翻訳を実行する前に人名、用語、文体の希望を指定できます。ダウンロード後は、読むうえで実際に重要な用語が正しく反映されているかを確認してください。
数値と意味の確認は別に行う
いくつかの箇所を読んで、誰が行動しているのか、誰が話しているのか、何が主張されているのかを確かめます。流暢な一文でも、否定が逆転していたり、可能性が断定に変わっていたり、代名詞が別人を指していたりすることがあります。
日付、金額、割合、単位、参照番号、範囲は原文と比べます。数字だけでなく、その数字に付いているラベルも確認してください。正しい値が別の項目に割り当てられていれば、値そのものが間違っているのと同じように意味が変わります。
ノンフィクションなら、定義、結論、例外や制限を1つずつ選びます。フィクションなら、会話、地の文、登場人物の感情が大きく動く場面を選びます。簡単なページだけを確認するのではなく、難しい箇所も対象に含めてください。
画像、表、リンク、注をまとめて確認する
画像は、それを説明する文章のそばにあるべきです。キャプション、前後の段落、画像内に埋め込まれたラベルを確認します。本文が翻訳されているからといって、画像内の文字も翻訳されているとは限りません。
表では、値が見出しや単位と対応しているかを確かめます。注については、本文中の印から注の全文までたどり、戻るリンクがあればそれも試します。章内リンクをいくつか開き、外部への参照も確認してください。リンクの表示名が見えていても、リンク先が有効とは限りません。
原文がスキャンしたPDFの場合は、OCR後の技術書を確認するチェックリストが役立ちます。原文の読み取りミスと翻訳ミスは分けて考えてください。翻訳後の流暢な文を直しても、翻訳前になくなった文字は戻りません。
確認記録を残し、終わりの基準を決めておく
章や原文の位置、問題の内容、深刻度、対応を記録します。体裁の細かいずれよりも、内容の欠落、意味の変化、数値の誤り、参照の不備を優先します。
| 確認項目 | 適した範囲 |
|---|---|
| 主要なセクションの有無 | 本全体の構造確認 |
| 人名と主要な用語 | 本全体の検索と文脈ごとの抜き取り確認 |
| 通常の文章の質 | 特徴の異なる箇所を比較し、数ページを続けて読む |
| 引用や重要な主張 | 原文との厳密な比較 |
| 公開用の版 | 適切な編集チェックを全面的に実施 |
同じ種類の問題がいくつも見つかったら、その種類の残りも確認します。表示の問題が1つのアプリで起きた場合は、翻訳をやり直す前に別のリーダーで同じファイルを開いてみてください。この区別については翻訳したEPUBのトラブルシューティングをご覧ください。
自分だけで読む場合なら、構造に問題がなく、重要な不明点に印を付けておけば読み進めてもよいでしょう。公開や正式な引用を目的とする場合は、より入念な確認を計画し、必要な権利も確認してください。原文、翻訳結果、問題のメモを一緒に保管しておけば、後で修正するときに先週どこがおかしかったかを思い出す必要がありません。