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数式のOCR:スキャン画像・式・説明を照合する

スキャンした数学PDFを変換したら、下付き文字、ギリシャ文字、式番号、周囲の説明を確認する方法を解説します。

数式は見慣れた形をしていても、間違っていることがあります。下付き文字がひとつ抜けるだけで、その記号が指す量が変わり、マイナス記号がダッシュとして読まれれば演算そのものが変わります。PDFから数式をOCRで取り出したときは、頭の中で期待する式と比べるのではなく、スキャン画像と照らし合わせてください。

ここでは「意味が正しく取れているか」と「読みやすい形で表示できているか」を分けて確かめます。式そのものは正しいのに表示が崩れている場合と、記号の認識が誤っているのに整って表示されている場合とでは、対処の仕方が違います。

表記の種類が複数あるページを選ぶ

地の文に埋め込まれた数式、独立した行に置かれた式、番号付きの式、その直後の説明文がそろったページを選びましょう。行列、積分、複数行にわたる導出があれば、それらも確認対象に加えます。文章だけのページでは、数式の認識精度はほとんど分かりません。

元のページは、無理のない倍率で表示したままにしておきます。スキャン画像自体が不鮮明な場合は、どこが不確かかを記録しておきましょう。拡大すれば見やすくはなりますが、もともと写っていない線を復元することはできません。

位置は、ビューアのページ番号と紙面に印刷された番号の両方で控えます。数式には独自の番号が振られていることが多く、そこから元の箇所へたどる手がかりにもなります。EPUB内で別の場所に移動した式でも、元の位置まで追跡できるようにしておく必要があります。

式全体が正しいと判断する前に、小さな記号を確認する

下付き文字と上付き文字は、本体の記号とは別に確認します。例として挙げる x_i² では、添字と指数はそれぞれ別の役割を持っています。これらが普通の文字の並びに潰れてしまうと、その区別が失われます。

よくある取り違えには次のようなものがあります。

  • 数字の0と大文字のO、数字の1と小文字のlと大文字のI。
  • ギリシャ文字のニューとラテン文字のv、書体によってはローとp。
  • 掛け算記号とアルファベットのx。
  • マイナス記号、ハイフン、小数点、句読点。
  • 括弧、波括弧、総和や積分に付く上下限。

それぞれの出現箇所を文脈ごとに確認してください。同じ記号でも節が違えば別の意味を持つことがあるため、文書全体での一括置換は新たな誤りを招きかねません。見た目が似ているというだけで、同じ変数を指していると決めつけないようにします。

インライン数式と別行立ての式を区別する

インラインの数式は、その文から切り離さずに扱います。前後の語句、句読点、式の直後に続く単位まで確認しましょう。改行のせいで、インライン数式の一部が見出しとして独立してしまっていないかも見ます。

別行立ての式では、行の構造を確認します。そろえた等号、場合分け、行列の行、分数、継続行を調べてください。文字はすべて正しく認識されていても、組み立て方の関係が誤っていることがあります。

ダウンロードしたデータと、画面に描画された表示を比べます。Markdownエディタによって数式表記への対応はさまざまで、CommonMarkだけでは数式表示の仕組みは定義されていません。元のテキストは正しそうなのに表示がおかしいときは、数式を書き換える前に表示先のエディタを確認しましょう。

出力形式の構文と描画については、MarkdownでのPDF数式を参照してください。ここで扱っているのは、そもそもスキャン画像に何が書かれていたかという点です。

式番号は正しい式と対応させる

「(4)に代入すると」といった参照は、意図した式までたどれるか確認します。式番号が式の一部になってしまっていないか、二つの式の番号が入れ替わっていないかも見てください。

続いて、周囲の定義を読みます。「ここで」の後に続く変数の説明は正しいままか、前提条件や境界条件、単位は残っているか。数式そのものは正しく認識されていても、その適用範囲を定める文が改ページで落ちていることがあります。

導出を確認するときは、隣り合う手順をまとめて見ます。一行だけを取り出しても、消えた項が意図的に消されたのか、うっかり抜けたのかは分かりません。明らかな矛盾を見つけたら、修正する前に元の説明と照らし合わせてください。

ダウンロードして表示を確認し、確認記録を残す

PDF CraftはスキャンしたPDFを処理し、変換の一環として数式も認識します。編集できる形で取り出したいときはPDFからMarkdownへを使い、アップロード後にMarkdownを選んで、できあがった結果をダウンロードしてください。認識の精度は元の資料によって変わります。どの文書でも同じ精度になるという保証はありません。

式の位置、問題のある記号、元の読み、修正案、確認状況を並べた小さな表を作っておくとよいでしょう。重要な計算に使う場合は、使う前にしかるべき知識を持つ人に修正後の式を確認してもらいましょう。OCRの結果は読むための補助であり、数学的な正しさを保証するものではありません。

最後に、実際に使うエディタやビューアでファイルを開き直します。コピーした式、その式番号、式を説明する段落を確認してください。あとで引用や計算を検証し直せるよう、元のPDFは調査ノートと一緒に保管しておきましょう。

自分の文書で試してみる

代表的なファイルで試し、結果を確認してから、資料に合う処理方法を選びましょう。

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