図版が出力フォルダーに入っているだけでは、確認はまだ終わりません。読者はその図が何を示しているのか、どのキャプションが対応するのか、本文がなぜその図を参照しているのかを理解できる必要があります。ラベルから切り離された図は、図そのものが欠けている場合と同じくらい誤解を招きます。
スキャンPDFからの画像とキャプションの抽出は、相互の関係という観点で確認してください。元のページを開いたまま、変換後の文書と付随するリソースを見比べます。
必要な図を洗い出す
写真、図解、グラフなど、複数の種類の視覚要素を含む章や節を選びます(元の文書にそれらがあれば)。各図の番号、元のページ、キャプションの冒頭の語句を書き留めてください。
変換結果でそれらの図を開きます。端が欠けずに読み取れるかを確認しましょう。軸ラベル、凡例、スケールバー、矢印、パネルのラベルは画像の境界付近にあることが多く、少しでも切り詰められると意味を説明する部分が失われます。
画像が残っていることと、文字が認識されていることは別の問題です。グラフを画像として保持しても、その中のラベルがすべて選択可能になったり翻訳されたりするわけではありません。ラベルが元の言語のままなら、図全体が翻訳されたと決めつけず、そのことを明記しておきます。
キャプションと画像を対応させる
スキャン画像で図番号とキャプション全体を読み、出力側で対応するテキストを探します。複数行のキャプションは別々の段落に分割されたり、隣接する本文と混ざったり、別の画像に付いてしまったりすることがあります。
パネルA、B、Cを持つ図では、キャプションが3つすべてを説明しているかを確認します。凡例が画像の下ではなく横に印刷されている場合にも注意してください。「画像の直後にキャプション」という単純な形に当てはまらない情報があるかもしれません。
キャプション内の句読点や注記記号も、本文と同じくらい丁寧に確認します。「ない」という語や有意差の記号が抜けると、画像自体は変わっていなくてもグラフの解釈が変わってしまいます。
本文からの参照をたどる
「図2は〜を示す」といった文を見つけ、正しい図にたどり着けるか確認します。その後、図の新しい位置の直前と直後の段落に戻って読みます。
流し込み後の出力では、図版がPDFと同じ物理的な位置にある必要はありません。それでも妥当な場所に現れ、参照から識別できる状態であるべきです。無関係な文の途中にキャプションが挿入されているのは、単なるレイアウトの変化ではなく読み順の誤りです。
章や付録ごとに番号が振り直される場合は、その文脈も確認に含めます。「図1」が2つあっても両方が正しいことがあります。片方を勝手に振り直すと、著者の参照が壊れてしまいます。
画像を差し替える前に、欠落の原因を調べる
画像が表示されないプレースホルダーが出ている場合は、Markdownのリンクとリソースの場所を調べます。画像は存在していても、.mdファイルだけをコピーしたために移動してしまったのかもしれません。相対パスはダウンロード元ではなく、Markdown文書の位置を基準に解決されます。
リンク自体がない場合は、抽出されたリソースを検索して元の文書と比較します。ファイルの欠落、リンクの抜け、トリミングの問題、表示形式が非対応という問題はそれぞれ対処法が異なります。パスを壊さずに結果をコピー・共有する方法はMarkdown画像アセットのガイドで説明しています。
欠落した元の図を、生成した図で代用しないでください。それは文書を復元するのではなく、新しい情報を加えることになります。復元が現実的でない場合は、元のページへの参照を明確に残しておきます。
実際に使う場所でファイルを確認する
編集可能なコンテンツが必要な場合は、PDFをPDF to Markdownにアップロードし、Markdownを選んで変換結果をダウンロードします。PDF Craftは文書の内容と構造を処理しますが、スキャンの品質や複雑なレイアウトは抽出結果に影響します。決まったパッケージ構成や画像の自動ホスティングを前提にせず、実際にダウンロードしたファイルを確認してください。
結果を、実際に使う予定のエディターやリーダーで開きます。図を1つ拡大表示し、その参照をたどり、キャプションを確かめましょう。研究ノートが目的なら、研究向けMarkdownワークフローに沿って作業する際に、元のPDFと図のページを保存しておきます。
確認記録には、図の名前、キャプション、元の位置、未解決の不具合を書いておくと役立ちます。画像の枚数だけを数えるのは不十分です。正しく結び付いた図が1つあれば、名前が曖昧なファイルが3つあるよりも多くの情報が得られます。