ページ下部の小さな文字を認識できただけでは、脚注の処理は終わりません。変換後の書籍では、正しいマーカーが正しい注記につながり、全文が欠けずに収まり、読んでいた場所へ戻れる必要があります。
確認の間は、元のPDFを開いたままにしておきましょう。単独で見ると筋の通った注記でも、別の文や段、別のページに属していることがあります。
本文のマーカーと注記の内容を照合する
注記が複数あるページを選びます。本文中のマーカーを1つ選び、そのマーカーが付いている文を読みます。次に、元のPDFで対応する注記を探し、その全文と出力を比べます。
数字だけを照合しても不十分です。書籍によってはページごとや章ごとに番号を振り直したり、記号を使ったり、参照以外の上付き文字が混ざったりします。正しい対応は、下にある同じ数字を見つけたかどうかではなく、元のレイアウトと該当箇所の関係から判断します。
EPUBなら、リンクがあればたどってみます。Markdownなど編集可能な形式なら、参照と注記がファイル内でどう表され、エディタでどう表示されるかを確認します。表示の作法は形式ごとに異なるため、すべての注記がポップアップで出るものと決めつけず、実際の結果を見てください。
番号・リンク先・戻り先を点検する
抜き出した各注記について、次の3点を確認します。マーカーが本文の意図した位置にあるか、リンク先に正しい注記が入っているか、該当箇所から読書を再開できるか。
リンクが機能していても、行き先が違うことがあります。リンク先が正しくても、注記の後半が欠けていることがあります。注記が完全でも、本文からたどり着けないことがあります。不具合は分けて記録しましょう。そうすれば、修正すべき本当の問題が見えてきます。
| 症状 | 比較するもの |
|---|---|
| マーカーはあるがリンク先がない | 元に注記があるか、それが認識されたか |
| 注記はあるが本文に参照がない | 元のマーカー位置と、レイアウトの誤分類の可能性 |
| 2つの注記がつながっている | 元の番号と、小さな文字のまとまりの境界 |
| 注記が途中で始まる、または切れる | 隣接するページや段への続き |
| 戻ると遠くへ飛ぶ | 読書ファイル内のリンク先と戻り先の関係 |
ページ番号や柱に注意する
ページ下部の文字が、そのまま脚注とは限りません。ページ番号、柱、キャプション、本文段落の末尾であることもあります。小さな数字が、2つの本文段落の間に誤った橋渡しを作ってしまうこともあります。
元のPDFで隣り合うページの同じ領域を見比べます。繰り返し現れる柱やページ番号の並びは、出力が本文に何を紛れ込ませたのかを考える手がかりになります。柱らしきものを取り除くと、特殊なページで本来の内容まで消えてしまわないかも確かめましょう。
同じように、段の境界付近にある注記は、片方の段の文章だけに属しているかもしれません。どこにつなぐかを決める前に、元の流れを最後まで読みます。訳文が自然だからといって、復元された対応関係が正しいとは限りません。
難しい構造を含むサンプルを作る
短い注記が1つだけあるきれいなページだけで済ませず、次のような要素を入れて確認します。マーカーが複数ある箇所、記号による番号、長い注記、ページをまたぐ箇所です。注記がページをまたいで続く書籍なら、ページをまたぐ脚注の確認ガイドを参照してください。
記録するのは、印刷ページ、PDFビューアのページ、マーカー、そして目印になる特徴的な語句です。EPUBは文字サイズによってページ割りが変わるため、出力上の見かけのページ番号だけでは、後から問題を探し出せません。
JEVの技術記事では、PDF Craftの具体的なサンプルを残し、内部で疑わしいページをどう確認しているかを説明しています。そこでの観察は、あらゆる書籍の注記が正しいことを保証するものではなく、利用者が操作できる修正機能があるという意味でもありません。
認識の確認と翻訳の確認を分ける
注記が翻訳されている場合は、まず正しい原文の注記が復元され、本文につながっていることを確かめます。そのうえで、引用、人名、書誌情報などを含めて意味を比べます。参照を完全に見せるために、書誌情報を勝手に補ってはいけません。
認識と翻訳の段階の分け方については、OCRと翻訳のワークフローガイドで説明しています。PDFの作業画面では、EPUBかMarkdownを選んで出力し、必要に応じて翻訳を有効にできます。初めて利用する方には試用クレジットが付き、処理は利用量に応じて課金されます。現在の料金は料金ページでご確認ください。
ダウンロードしたら、出力と元のPDFを一緒に保存しておきます。引用や調査に使う箇所は、気軽に読むときよりも念入りに確認してください。注記へのリンクは移動の助けにはなりますが、著者が実際に書いた内容の拠り所はあくまで元の資料です。