縦書きの書籍では、文字が正しく認識されていても順序が入れ替わっていることがあります。OCRが文字を拾えても、段やキャプション、小さな注記のつなぎ方を誤る場合があります。読む場合も翻訳する場合も、個々の文字と同じくらい順序が重要です。
まずは代表的なページと元のPDFから確認を始めましょう。きれいな縦書きページが1枚あったからといって、長い書籍のあらゆるレイアウトを安定して処理できるとは限りません。
縦書きと混在レイアウトを見分ける
本文の標準的なページ、章の冒頭、図や注記のあるページを眺めてみてください。1冊の本の中に、縦書きの本文と、横書きの見出し、表、ラテン文字の略語、小さなルビなどが混在していることがあります。
処理の前に、本来の読み順を書き留めておきます。次に来るのはどの段か。キャプションはどこに属するのか。小さな文字で書かれた部分は、近くの文字に付いた注記なのか、それとも本文の一部なのか。こうした関係をいくつかのページで記録しておけば、確認の基準が具体的になります。
スキャン画像に見開き2ページがまとめて入っている場合は、ページの順序と綴じ目の部分も確認します。トリミングや影で行末の文字が隠れていることがあるためです。画像に写っていない文字を翻訳で補うことはできません。
翻訳を評価する前にOCRの順序を確認する
変換後は、PDFの画像と照らし合わせながら、元の文章を最初から最後まで通して読みます。段が逆方向につながっていないか、注記が本文に紛れ込んでいないか、柱(ページ上部の見出し)が文の途中に繰り返し入っていないかを探します。
確認に適したサンプルは次のとおりです。
| ページの種類 | 主に確認するリスク |
|---|---|
| 通常の縦書き本文 | 段の順序と段落のつながり |
| 横書きと縦書きの混在 | 見出しやラベルが本文に挿入されていないか |
| 小さな注記 | 本文との位置関係 |
| 図や表 | キャプションの位置と本文の分断 |
| ページや章の区切り | 続きなのか、本当の区切りなのか |
翻訳された箇所が不自然に感じたら、元の順序が誤っている可能性があります。訳文だけを見て意味を直そうとせず、ページと見比べてください。OCRと翻訳の説明では、この2つの工程を分けて扱っています。
変換か翻訳かをはっきり選ぶ
PDFの作業画面でPDFをアップロードし、目的に合わせて出力形式を選びます。EPUBは文字サイズを変えながら読み続けるのに向いています。Markdownは編集や調査メモに向いています。これらの出力では翻訳は任意で、必要なときに有効にします。PDF出力は翻訳を前提とした処理です。
出来上がったレイアウトが元の縦書きページをそのまま再現する必要はありません。原本の複製を前提とせず、選んだ出力に内容と必要な順序が保たれているかを見ます。PDF Craftは、あらゆる縦書きや混在レイアウトを欠損なく再現することを保証するものではありません。
翻訳が必要なときは、主題、固有名詞の表記、重要な用語など、簡潔な背景情報を添えます。文字の欠落や元の順序の乱れを指示で補えるとは考えないでください。実行前に、現在のファイル制限と料金を確認してください。新規ユーザーにはトライアル用のクレジットが付与され、処理は利用量に応じて課金されます。
難しいサンプルで確認すべき箇所を判断する
レイアウトが変わるページと、文章が次のページに続く箇所を選びます。前のページの末尾、現在のページ、次のページの冒頭を比べ、1つの文が柱やページ番号に邪魔されずに順序どおり残っているかを確かめます。
注記については、小さな文字が認識されたというだけで済ませず、注記記号と注記の全文が対応しているかを確認します。表では行と列の対応を見ます。かすれていたり判別しにくかったりする文字は、可能ならより鮮明な資料と照らし合わせ、流暢な訳文で不確かさを覆い隠さないようにします。
数ページを抽出した結果から何割といった数値を出すのは避けてください。サンプルは、その本で起きやすい失敗の傾向と確認の負担を知るためのものであり、文書全体の精度を測るものではありません。
読むときは元のPDFを手元に置く
ダウンロードした出力は別に保存し、問題のある箇所は元のページ番号と、見つけやすいフレーズで記録します。EPUBはフォントや画面サイズによってページが変わるため、出力側のページ番号だけでは手がかりとして不十分です。
同じ順序の問題が多くのページで起きているなら、原因がわかるまで作業を広げるのはやめましょう。難しいページが少数なら、元のPDFとより注意深く見比べる対象として印を付けます。スキャンPDFの翻訳ガイドでは、訳文が流暢であることを認識が正しかった証拠とせずに、内容とレイアウトを確認する方法を扱っています。