メインコンテンツへスキップ

未翻訳の小説シリーズを、名前と文脈を保ったまま読み進める

続巻をAI翻訳で読むために、訳語や設定をメモにまとめ、これまでの巻と名前や用語をそろえる方法を紹介します。翻訳後は章ごとに原文と照らし合わせて確認します。

シリーズの最初の数巻には公式翻訳があっても、次の巻にはない、ということがあります。世界観や用語をすでに知っているのは助けになりますが、新しく翻訳すると、見慣れた登場人物や階級、地名がまったく別のものに見えてしまうことがあります。

つまり続巻を読む準備は、翻訳であると同時に、前の巻とのつながりを保つ作業でもあります。いくつか方針を決めておくだけで、公式翻訳者の仕事を再現しようとしなくても、読みやすい読書用の版になります。

既刊から訳語・設定メモを作る

主要な登場人物、地名、組織、称号、繰り返し出てくる作中の用語を書き出します。原文での表記と、すでに知っている綴りや訳し方を並べて記録します。必要なら別名や、人物同士の関係を短く添えます。

メモは絞り込みましょう。過去の巻をアップロードしたり、翻訳済みの文章を指示欄に貼り付けたりする必要はありません。「マラ・ヴェイルは〈航海士〉と呼ばれる同じ人物。この称号は海軍の階級とは区別する」といった短い注記のほうが、長いあらすじより役に立ちます。

確定している事実と、自分の推測は分けておきます。前の巻の終わりで、ある人物の正体が意図的に曖昧なままのこともあります。その曖昧さを指示で勝手に解消しておいて、翻訳がそれに従ったと責めるのは筋違いです。

続巻のファイルが正しいか確認する

元のファイルでタイトル、著者、巻数、版、章の一覧を確かめます。合本版と単巻版では巻の数え方が違うことがあります。「3巻」に見えるファイルに、以前の版にすでに収録されていた部分が含まれているかもしれません。

EPUBが開けて、最後まで内容が入っていることを確認します。変更していない元のファイルは残し、結果は別のファイル名で保存します。元がスキャンしたPDFしかない場合は、PDFの変換を使って、翻訳を評価する前に文字認識を確認します。

処理が許されているファイルだけを使います。この手順は、見つからない巻を取得したり、ウェブサイトから取り込んだり、保護を解除したりするものではありません。また、翻訳した続巻を配布する許可を与えるものでもありません。

短い指示で背景を引き継ぐ

PDF Craftの小説翻訳でEPUBをアップロードし、翻訳先の言語を選んで、引き継ぎたい方針を書き加えます。たとえば次のように書きます。

ファンタジーシリーズの3巻です。マラ・ヴェイル、オールダー・リーチ、〈監視団〉はそのままにしてください。「Waykeeper」は役職名として統一し、人名とは区別してください。階級が表れる場面では敬称を保ってください。

この例はフィクションで、必要な情報量を示すためのものです。結果を保証するものではありません。指示は翻訳を導くものであり、PDF Craftがシリーズの用語集を自動で読み込んだり、以前の作業を覚えていたり、過去の巻から登場人物のデータベースを作ったりするわけではありません。

読んだ版ですでに定まった訳がある用語は、「いつもの訳で」と頼むのではなく、その訳を具体的に書きます。システムには、どの版を指しているのか分からないことがあります。別名や呼び方の変化の扱いについては、登場人物の名前と関係をご覧ください。

冒頭と後の章を原文と照らして読む

対訳形式を選ぶと、各原文のすぐ後ろに訳文が並び、いつでも見比べられます。翻訳のみの形式は、途切れずに読むにはすっきりしています。料金と現在の制限を確認してから作業を依頼し、できあがったEPUBをダウンロードします。

まずは、前の巻から登場している人物が出てくる章を確認します。見慣れた名前がそれぞれ意図した人物に対応しているでしょうか。称号は同じ階級関係を表しているでしょうか。終盤でいくつかの重要な用語を検索し、意味や訳し方がずれていないか見てみます。

次に、新しい情報が出てくる場面を一部読みます。奇妙な用語は、誤りではなく意図的な世界観の作り込みかもしれません。以前の巻で見た言葉に置き換える前に、前後の段落を比べてください。

訳語・設定メモは小説とは別に保管する

章の位置と確認済みの方針を、読者用の短いメモにまとめておきます。原作者の文章に、まるで元からあったかのように説明を書き加えるのは避けます。作業用のコピーを外部のアプリで編集する場合は、ダウンロードしたままのファイルを残し、重要な変更のあとは場面全体を読み直します。

自分用の読書版なら、不確かな箇所に印を付けながら読み進められます。ただし公式の翻訳ではなく、すらすら読めても、以前に出版された翻訳と同じ文体になるとは限りません。引用や共有をする前に、原文と必要な許諾を確認してください。

作業全体の流れについては、翻訳のない本を読むをご覧ください。登場人物が誰なのか、繰り返し出てくる用語が何を指すのか分かれば、個々の訳語に見直しが必要でも、前の巻とのつながりを感じながら読み進められます。

EPUBの続巻を読書用に翻訳する

登場人物や用語の指定を加えて、翻訳のみか対訳かを選べます。

小説を翻訳する