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スキャンした書籍向けOCRツールの選び方:同じページで比較する

精度ランキングではなく、代表的なスキャンページを共通の入力として使い、セットアップ、言語とレイアウトの扱い、プライバシー、コスト、出力の観点からOCRの処理方法を比較します。

適切なOCRツールは、手元のファイルと必要な結果によって変わります。検索可能なPDF、編集可能なMarkdown、リフロー可能なEPUBは、それぞれ別の成果物です。きれいな段落をうまく読み取れる仕組みでも、書籍の注記、段組み、特殊な印刷には苦戦することがあります。

比較するときは、同じ元ページを使いましょう。このガイドでは、公開されているワークフローと評価の観点を説明します。実測した精度ランキングではありません。

セットアップとハードウェアの負担を比較する

方法用意するもの確認すべき出力の点
Tesseractを使った処理インストール、言語データ、画像の前処理、スクリプトまたはフロントエンドどのようなテキストやレイアウト情報が得られ、書籍として組み上げるのは誰か
OCRmyPDF対応するローカル環境とその依存関係検索可能なPDFで足りるか、別の変換がさらに必要か
デスクトップ版PDFエディター対応OS、ソフトウェアの利用手段、提供されているOCR機能お使いのバージョンでは、どの編集可能な形式やPDF形式で出力できるか
PDF Craftのオンライン変換ブラウザ、対応PDF、選んだ出力形式、確認の進め方読むためのEPUBか、編集するためのMarkdownか。翻訳は必要か

Tesseractのドキュメントでは、OCRエンジンと対応するセットアップ方法を説明しています。OCRmyPDFは、スキャンしたPDFにOCRのテキストレイヤーを追加する方法を説明しています。Adobeはスキャンの補正とOCRのワークフローを公開しています。どの方法でも電子書籍として完全に再構成できると決めつけず、お使いの環境については最新の情報を確認してください。

ローカル処理では、必要な計算資源と保存領域を自分で用意します。オンラインの方法では、処理をサービス側で行います。デスクトップ版の画面があるからといって、すべての機能がオフラインで動くとは限りません。実際の設定を確認しましょう。

具体的なローカル環境の例でいえば、Tesseractには実行ファイルと、認識したい文字体系に対応した学習済み言語データが必要です。OCRmyPDFはOCRとPDF処理を組み合わせたツールで、インストールガイドにはmacOS/Homebrew、Linuxのパッケージ、Windowsでの導入方法が載っています。Pythonパッケージを入れるだけでは、システム側の依存関係がすべてそろうわけではありません。インストールしたバージョンの要件を確認し、Tesseractと、対応するPDFラスタライザー(pypdfium2やGhostscriptなど)を用意してください。それぞれの役割や任意機能はバージョンによって異なります。書籍を処理する前に、コマンドと言語データが利用できることを確かめておきましょう。

必要な資源は、PDFの圧縮後のファイルサイズだけでなく、ページの内容によって決まります。OCRmyPDFのパフォーマンスに関するガイドでは、ピークメモリがページの画素数と同時実行ジョブ数に関係すると説明されています。高解像度のページや同時実行数の多いジョブでは、より多くのメモリが必要になることがあります。マシンが苦しそうなら並列数を減らし、ページの抽出や一時ファイル用の作業ディスク容量も確保しておきましょう。大量の書籍をまとめて処理する前に、代表的なページで試してください。

ホスト型の処理では代わりに、動作するブラウザ、インターネット接続、PDFをアップロードする権限、ダウンロード用のローカル容量が必要です。PDF Craftのオンラインワークフローでは、ローカルにOCRエンジンをインストールしたりGPUを設定したりする必要はありません。ただし、アップロードの上限や確認作業は変わりません。

元の言語とレイアウトを試す

対象の文字体系と資料に言語サポートがあるかを確認します。現代の活字、古い書体、複数言語の混在、小さな注記では、認識の難しさがそれぞれ異なります。一般的な対応言語の一覧があっても、あなたの書籍でうまく認識できるとは限りません。

通常の本文、段組み、注記、表や数式があればそれらを含むページを選びます。ページの切り替わりや章の冒頭も入れてください。綴りだけでなく、読み順も確認します。正しい単語でも順序が入れ替わってつながっていると、翻訳やリフローには使えません。

縦書きの書籍なら、混在レイアウトのページや小さな注釈も加えます。傷んだスキャンなら、最もきれいなページだけでなく、実際に対処したい影やぼけを含むページを入れましょう。

プライバシー、料金、成果物を分けて比較する

機密性の高い資料を送る前に、現在の処理方法とデータ保持の条件を読みます。プロジェクトで承認済みのローカル環境が求められる場合は、OCR、一時ファイル、その後の翻訳サービスをまとめて確認してください。出力をローカルに保存したからといって、処理もローカルで行われたとは限りません。

コストについては、インストールやライセンスの要件、利用料金、準備と修正にかかる時間を洗い出します。無料で使えるエンジンでも、セットアップに手間がかかることがあります。オンラインサービスは便利でも、その後の確認作業には別途時間がかかります。

PDF Craftでは、新規ユーザーにトライアル用のクレジットを付与し、処理量に応じて料金が発生します。現在の料金は料金ページに掲載しています。オンラインのPDFワークフローではEPUBまたはMarkdownへの変換を提供し、これらの出力では翻訳を任意で追加できます。PDF出力は翻訳向けの方法です。Wordへの出力や、OCRの認識結果をひととおり編集できる画面も備わっているとは限りません。

代表的なサンプルを1つ試し、別の種類の資料でも試す

入力は同じままにして、各方法で使ったオプションを記録します。具体的には次の項目を比較します。

  1. 人名、数字、句読点を含む段落。
  2. 2段組みの切り替わり、または本文の横にあるキャプション。
  3. 表の見出しと、それに対応する行の値。
  4. 数式と、その記号を定義する文。
  5. 注記のマーカー、注記の全文、該当する場合は本文へ戻る位置。

わずかなサンプルから割合をでっち上げるのではなく、誤りを位置と種類ごとに記録します。次に、コレクション内の別の重要な資料の種類でも同じことを繰り返します。きれいな小説で問題がなくても、技術書にも向いているとは限りません。

ワークフロー全体で選ぶ

検索可能なアーカイブが必要なら、その出力を直接評価します。読める電子書籍が必要なら、ナビゲーションとリフローを確認します。編集可能な注記が必要なら、抽出された構造をエディターで比べます。

対応ファイルの処理はPDFワークスペースから始められます。スキャンしたPDFの翻訳ガイドでは、その後に加わる翻訳工程を説明しています。OCRと翻訳の違いでは、それぞれの確認作業の役割を分けて解説しています。最もよい選択は、実際の成果物と確認の負担があなたの書籍に合うものであって、精度について最も大胆な主張をしているものではありません。

自分の文書で試してみる

代表的なファイルで試し、結果を確認してから、資料に合う処理方法を選びましょう。

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