# 読む前・共有する前に訳文EPUBを検証する方法

EPUBの構造検証とリーダーでの表示確認を分けて行い、目次や言語メタデータを確認する手順を解説します。修正後の再確認方法も紹介し、検証と翻訳の正確さを混同しないための考え方をまとめます。

EPUBは、形式チェックを通っていても誤訳した文が残っていることがあります。また、あるリーダーでは開けても、別のリーダーではリソースや内部リンクが壊れていて開けない場合もあります。こうした問題をひとまとめにせず、別々に確認することが大切です。「ファイルが開けた」だけで全体が正しいと判断しないようにしましょう。

元のEPUBとダウンロードした訳文の両方を保管しておいてください。確認作業はコピーに対して行い、修正によって別の問題が起きたときは未加工の状態に戻せるようにします。

## 構造と表示の動作を分けて考える

構造の検証では、出版物が形式の要件を満たしているかを確認します。リーダーでの確認では、特定のアプリでどう表示され、どう移動できるかを見ます。翻訳内容の確認では、訳された意味が正しいかを確かめます。この三つの確認方法は、どれもほかの二つの代わりにはなりません。

たとえば、形式的には正しいリンクが誤った注記へ飛ぶことがあります。正しい段落でも、フォントが欠けていると読みにくく表示されることがあります。きれいに表示された文が否定語を落としていることもあります。ひとつの「問題なし」表示で本全体が正しいと証明しようとせず、問題の種類ごとに適した確認を行いましょう。

[W3CのEPUB仕様](https://www.w3.org/TR/epub-33/)には、EPUBのコンテンツ、リソース、ナビゲーション、メタデータについて記述されています。これは形式のリファレンスであり、特定の翻訳ツールの出力を保証するものではありません。

## まず目次・リソース・言語を確認する

EPUBを開き、目次を使ってみましょう。冒頭・中盤・終盤の章をそれぞれ開きます。見出しのリンク先が元の文書と一致しているか比べてください。目次は一見そろっていても、リンクが誤った場所へ飛ぶことがあります。

画像、キャプション、注記を確認します。注記のリンクをたどり、本文へ戻れるか確かめてください。表が読めるか、長い段落が固定サイズの枠に隠れて消えていないかも見ます。フォントサイズやウィンドウ幅を変えると、初期表示では見えなかった問題が出てきます。

使用しているツールで確認できる場合は、版のタイトルと言語情報も見てください。言語メタデータは発音など読書時の動作に影響することがあり、バイリンガルの内容では本全体にひとつの言語を指定するよりも細かい指定が必要になる場合があります。EPUBエディタでパッケージのOPFにある`dc:language`を確認しましょう。英語のみの版なら、たとえば`en`のように英語のコンテンツであることを示します。多言語の出版物では複数の言語を宣言できます。章のXHTMLには独自の`lang`と`xml:lang`の宣言があり、OPFから継承されるわけではありません。英語とスペイン語のバイリンガルの章では、英語のブロックが英語、そのスペイン語訳がスペイン語と指定されているか確認してください。たとえば`<p lang="es" xml:lang="es">…</p>`のようになります。これらは確認すべきマークアップの例であり、自動で修正されることを保証するものではありません。表示上のタイトルだけを翻訳しても、これらの宣言は更新されません。編集は作業用のコピーでのみ行い、その後で検証と再確認をしてください。

## 形式の問題は外部のEPUBチェッカーで調べる

[EPUBCheck](https://www.w3.org/publishing/epubcheck/)は、出版物がEPUB仕様に適合しているかを評価するツールです。公式サイトにインストール方法と使い始め方の手順があります。これは外部ツールであり、PDF Craftに組み込まれた検証機能ではありません。

お使いの環境の最新の手順に従い、ダウンロードしたファイルに対して実行してください。レポートは、どのバージョンのファイルを調べたものか分かるように保管します。警告をすべて同じ重みで扱うのではなく、メッセージの位置と説明を読みましょう。

レポートでリソースの欠落や参照の破損が示されたら、適切なEPUBエディタでその箇所を調べます。コピーに対して作業し、影響を理解していない一括変更は避けてください。パッケージの問題を直すのに訳文を書き直す必要はありません。一方、言語に関する問題は構造のレポートにはまったく現れないことがあります。

出版用の成果物を作る場合は、配布先の最新の要件にも従ってください。あるリーダーが不正な形式のファイルを許容したとしても、ストアや配信業者が受け入れる証拠にはなりません。

## 実際に使うリーダーで確認する

同じファイルを、普段使っている読書アプリと、それとは別のEPUBリーダーで開いてみましょう。同じ箇所を見比べれば、比較から意味のあることが分かります。ひとつのリーダーだけでキャプションが切れるなら表示の挙動を調べ、どこでも画像が欠けているならリソースか元データを調べます。

Kobo向けなら[Koboでの読み込み確認](https://pdfcraft.ai/ja-JP/blog/translated-epub-on-kobo/)を、iPad向けなら[iPadでの訳文EPUBの読み方](https://pdfcraft.ai/ja-JP/blog/translated-epub-on-ipad/)を参照してください。別のサービスを経由して読み込むと変換の工程が加わることがあるため、受け取った版だけでなく、ダウンロードしたEPUBも確認してください。

| 確認内容           | 分かること               | 分からないこと          |
| -------------- | ------------------- | ---------------- |
| EPUBCheckのレポート | 検出された形式適合上の問題       | 訳された意味が正しいか      |
| 2つのリーダーでの比較    | 表示の問題が特定のリーダー固有かどうか | すべての章がそろっているか    |
| 元の文書との比較       | 抜き出した箇所の意味や構造の違い    | 抜き出していない箇所すべての保証 |

## 修正したら再確認する

修正したファイルは新しいバージョン名で保存します。パッケージやマークアップを変更した場合は構造チェックをもう一度実行し、リーダーで最初に問題が出た箇所を開き直してください。あわせて近くの章や注記も確認し、ひとつのリンクを直したことで別のリンクを壊していないか見ておきます。

PDF Craftでは、可能な範囲で読書用の構造を保った翻訳版またはバイリンガル版のEPUBをダウンロードできます。完璧な出力や自動的な専門家レベルの検証を保証するものではありません。[EPUB翻訳ツール](https://pdfcraft.ai/ja-JP/epub-translator/)を使ったあとは、目的に合った範囲で重要な箇所と構造を見直してください。現在の処理料金は[料金](https://pdfcraft.ai/ja-JP/pricing/)で確認できます。

元のファイル、最終的なEPUB、未解決の問題をまとめて保管しておきましょう。あとでリーダーを変えたときや引用箇所を確認し直すときに、単なる「確認済み」という印よりも役に立ちます。

